小型水槽の立ち上げ

きっかけ

カクレクマノミの稚魚が孵化から1ヶ月を越えるまで育ち始めた頃から、自分が育てたカクレクマノミの稚魚をペアにして更にもう一世代作ってみたいと思い始めました。近親同士の掛けあわせによる奇形の発生を心配しましたが、心配ないことが分かったことから、更に強く思い始めました。しかし、我が家もそうそう沢山の水槽を置くようなスペースはありません。アメリカのサイトなどを検索すると「Nanoreef Aquarium」という小型水槽での飼育が一般化していることは知っていましたが、日本語のHPでは余り見かけませんでした。

そんな時で見せていただいた45cm水槽は非常に刺激になりました。Araiさんの小型水槽には厚めの底砂とライブロック、そして外掛けフィルターだけが付いていました。照明は70Wのメタハラで、水温調整は日本では売られていない小型のチラー式クーラーが取り付けてありました。中にはクマノミとイソギンチャク、ケントロ2匹、その他サンゴ類と生体が非常に多く、こんな小さな水槽でこれだけ生体を入れてもこんなに状態良く、飼育することができるのかと非常に驚かされました。しかも足し水だけで殆ど水換えもしないそうです。
またそんな時、でスーリンがHPの「観察記」に「Nano-Riffaquarium」という記事を加え、それをきっかけに掲示板で小型水槽についての議論が盛り上がりました。思いの外沢山の方が、30cmキューブなどの小型水槽を回していることが分かりました。しかも基本的には底砂を厚く敷き、ライブロックを入れて外掛けフィルターで回すだけという非常に簡単な装置でエビと共生ハゼ、ヤドカリなど大型の水槽ではなかなか観察しづらい生体を大型水槽とは別に持っているのを知りました。

小型水槽を立ち上げるのはそのとき既に決めていたのですが、水槽の大きさと温度管理をどうするかの2つの点で最後まで非常に悩みました。水槽を大きくすればそれだけ水が安定するので良いのですが、60cmまで大きくしては置き場所もとられます。またAraiさんやスーリンはメタハラを使っていました。これはお二人ともイソギンチャクを入れていることもありますが、メタハラにすることによってろ過が強化されるという面も大きいと思いました。メタハラにすると今度は夏場の温度管理をどうするかという問題が出てきます。30cmキューブではニッソーのNC180やジェックスの小型クーラーは適合ポンプが30cmキューブで使うのには大きすぎて、底砂を巻き上げてしまうため、使えません。最終的には直ぐにイソギンチャクを入れる予定もなかったことから、照明を蛍光灯にすることにして、夏場の水温はファンで対応することに決めました。

準備したもの

水槽ー30x30x40cmのエーハイム社製水槽。
外掛けフィルターーテトラOT-60。
底砂ーSSSタイプ、10kg
ライブロックー2kg
ヒーターー100Wx1
照明ーAzooギャラクシーライト13W
温度計ーデジタル式
ファンージェックス製冷却スリムファンビッグ&ファン専用サーモスタットFE-001

立ち上げ
まずサンゴ砂SSSを10キロほど1時間近くかけて洗い、新しいタンクに入れる。そして本水槽の飼育水と新たに作った人工海水を半分づつ新たな水槽が満ちるまでいれる。そして本水槽のサンゴ砂を上からかける。これは好気バクテリアを期待したものである。そしてライブロック2kg弱を入れ、ろ材を抜いたOT-60を稼動。あまっていたPHもつける(これは砂を巻き上げるので直ぐにはずした)。さすがに水が濁っているが翌日には透明になった。


立ち上げ8日目にアンモニア、亜硝酸、硝酸塩を測ると全て反応なし。苔も全く発生していない。あんまり自信はなかったが、好気濾過は立ち上がったのだと思った。本水槽からの飼育水を半分使い、ライブロックを入れたのが奏功したのか。念のため、餌を1つまみいれて、翌日以降再検査。

立ち上げ11日目、24日目にアンモニア、亜硝酸、硝酸塩を測り、全てゼロを確認。この時点で生体を入れても良かったのだが、入れる予定の生体が、カクレクマノミの稚魚でどうしても☆にしたくなかったため、慎重になった。その後茶苔が出ることを予想していたのだが、でなかった。

結局39日間から回しをして、最後に水質を確認し、カクレクマノミの稚魚を新しい水槽に移して、Nano Reef水槽立ち上げ完了。
(左・中央はカクレクマノミの稚魚を入れたところ、右は近影(04年5月15日)

その後、茶苔も少しではあるが出始めた。現在はOT-60の中に活性炭と燐酸吸着剤を入れている。

感想

現在でのところ、水槽の状態も良く、非常に上手く立ち上がったと思っている。慎重を期して約40日間もから回しをしたが、20日ぐらいで十分だったのではと思う。今後の夏場の水温対策が果たしてファンで十分なのかが未だに心配である。(今日5/11は最高気温32度だったが、ファンが過熱することもなく、設定の26.5度をキープできた。ファンは60cm規格にも使えるとうたっている事からも強力であるが、ここまで働いてくれるとは思わなかった。ただファンは気化熱で水温を下げるため、暑い日は水の蒸発が特に酷く、大体1L程度は毎日RODI水を足し水している。足し水はそのまま「どぼっ」という感じでOT-60へ流し込むだけ)

タンクメイト
カクレクマノミ稚魚7匹
ハタタテハゼ2匹
ランドールピストルシュリンプとハタタテネジリンボウ
カニハゼ
フレームA
カタリナゴビー

ヤドカリ7匹

(2004年4月18日記、4月30日追記)

トラブル発生
立ち上げ後丁度3ヶ月経過した5月18日にカクレクマノミの稚魚4匹、カニハゼ、フレームA、カタリナゴビーとタンクメイトの大半が☆になる事件が起きた。原因はこぶし大のライブロックをその2日前に追加したことに起因するのではないかと思う。90cmの本水槽ではライブロックの追加は全く問題にならなかったがやはり水量の少ない水槽だと水質の変動に対し、対応力が限られ、壊滅的な影響があることを今回身をもって体験した。
(2004年5月20日追記)

シアノバクテリアの発生と消滅
トラブルが発生した(5月18日)のがきっかけだったと思うのだが、シアノバクテリアが飾りサンゴと底砂の上に発生した。少ない水槽の中で☆になり亡骸を回収できなかったためだろうか。またブラインシュリンプを結構上げていたのも原因かもしれない。しかし、1ヶ月もしないうちに自然消滅。マガキガイが底砂の上をかき混ぜたことも貢献したように思う。

カクレクマノミ稚魚を再投入
前回のトラブル(5月18日)から約1ヵ月後の6月12日に、過密飼育が気になっていたカクレクマノミの稚魚33匹のうち13匹を小型水槽に移動。前回のトラブル後約1ヶ月が経ち、水質が安定したように見えることもある。

亜硝酸発生によりカクレクマノミ稚魚を回収入
投入翌日に亜硝酸を測ると0.2!急いでカクレクマノミ稚魚達を本水槽に回収。ハタタテハゼやネジリンボウ、エビ類は全く大丈夫なようだ。一度亜硝酸が復活するとなかなか下がらないとのことなので、長い戦いになりそうである。

(2004年6月14日追記)

徐々に脱窒?
今日はエーハイム水槽の亜硝酸、硝酸塩を測定。亜硝酸はゼロ、硝酸塩は上から2番目に低い2.5から12.5だった。まずまずだろう。立ち上げから5ヶ月なのでそろそろ底砂層が嫌気層として脱窒効果を徐々に発揮してきたのかも知れない。今月に入り特に暑さも厳しくなってきた(今日は最高気温37度!)ため、現在は1日2Lの足し水をしている。1Lの入れ物でざ〜っと入れるので生体の比重ショックがチョッと心配。
(2004年7月20日追記)

現在のタンクメイト
ハタタテハゼ2匹
ランドールピストルシュリンプとハタタテネジリンボウ
フリソデエビ
ヤドカリ7匹
(全景)(ランドールとネジリンボウ)
(2004年6月14日追記)

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